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Channel: スポーツナビ+ タグ:妹尾隆佑
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【レポート】愛媛FCーファジアーノ岡山(J2第31節 2015/09/13@ニンスタ)

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【危ない橋を渡った選手交代】試合開始直後に思わぬ形で先制し、その後も単発でチャンスは作るものの追加点は奪えず。逆に前半のうちに、警戒していた内田にやられました。後半は、前半飛ばしていた愛媛のプレスが弱まり、どちらかというとチャンスは作れましたが、勝ち越しには至らず、ドローという展開でした。アウェーで上位相手にドローならば、最低限の結果は残したといえますが、選手交代に少し疑問が残ります。まず、島田にかえて黄辰成。ボランチに伊藤を下げるという選択で、これ自体は、ゲームを通じて島田も消えていましたし、プレビューでも伊藤のボランチ起用の可能性については肯定的にとらえていましたが、オープンになりかける展開で、すこしバランスを前がかりにかけるという采配は、少し驚きました。ここまでであれば、まだわかりますが、今度は田所にかえて妹尾。片山を左ウイングバックに下げるという選択でした。長澤監督としては、ロングスローという武器がある片山はピッチに残しておきたかったのでしょうが、さらにチームのバランスは前がかりになりました。これらの選手交代について、チームとして意思統一ができているのならば理解はできます。おそらく、何としてでも勝点3がほしいということだったのでしょう。しかしながら、黄辰成も妹尾も、どちらかというとフィニッシュよりはチャンスメイクという部分に長けているタイプだと思いますし、さらにはボランチとウイングバックの守備力に関しては、スタートよりも下がりました。結果的には勝点1を得ましたが、この交代は、3になる可能性も、0になる可能性も、増やす交代だったと思います。「引分など負けに等しい」という思いがチームの中にあったのかどうかは定かではありませんが、アウェーで1ポイント、ホームで3ポイントという戦いをベースにしても良いわけで、そんな中でここまで前がかりな選手交代をする必要性があったのかは疑問です。さらに言うと、愛媛自体も、前半にエネルギーをかなり使ってしまったために、自ら仕掛けて勝点3、6連勝を狙うような戦い方ではなかったと思います。近藤貴志や表原といった、スペースがあってこそ活きるタイプの選手を投入してきていましたので、まさに相手の罠にまんまとひっかかりかけたような試合だったと思います。【セットプレーに光明】流れの中からは、片山が2度ほど抜け出したシーンや、あとは久保の落としに黄辰成が合わせたシーンくらいで、なかなか良い形は作れませんでした。一方で、セットプレーについては、この試合は見どころがあったように思います。先制した直後に、フリーキックから片山が頭で合わせたシーンは、岩政がバンザイをしていたように決まったと思いましたし、その岩政もコーナーキックからフリーで合わせるシーンが複数ありました。伊藤のキックの質がこの試合は高かった(一番ゴールになりやすいゾーンに蹴れていた)のと、中の動き方も工夫があったのではないでしょうか。得点にはつながりませんでしたが、やはり苦しい時にセットプレーから取れるかどうかでまったく違います。ここは、ゴールエリア内に人を集めるパターンや、一列に並んでマークにつかせないパターンなど、ほかのチームのまねでも良いですし、いろいろなやり方があるので、バリエーションをつけてもらいたいと思います。【3試合連続完封はならず】個人的には、やはりディフェンス面にしっかりとこだわりを持ってほしいと思っていました。特に、今シーズンの失点パターンである、セットプレーのセカンドボールというところは、なんとか大きくクリアをしたり、セカンドに対するプレスを誰かがいくようにするなど、徹底してもらいたいと考えていましたが、残念ながらまさにその形で決められてしまいました。決して、1度クリアして油断しているのではなく、はじめのボールの質も高いので、距離の出ないクリアが精一杯なのだとは思います。特にこの試合のような失点パターンは、クロスをもう一度入れたわけではないので、中のマークを揃えるということで解決する形ではありません。そういった中で、常に「失点する可能性の低い選択」をせねばなりません。距離が出ないならばサイドへ逃げる、場合によってはゴールラインに逃げるということも必要になりますし、このあたりの、自分ができるプレーの中で最もリスクの低いプレーはどれか、というところを瞬時に突き詰めることができれば、この試合のような形はさすがに防ぐことはできなくとも、結果としてセットプレーの流れからの失点は防ぐことができると思います。ちなみに、失点シーン以外は、よく体を張ってディフェンスができていたいと思います。ときにその部分が緩くなる試合もこれまでにはありましたが、ここは3試合連続で、しっかりできていたと思いますし、継続していければ、無失点試合は増えると思います。【簡単にボールを捨ててはいけない】次節以降に向けてですが、前半で、ボールを簡単に捨てるシーンが多い点が気になりました。もちろんセーフティファースト、しかも愛媛のプレスもきいていたので、仕方がない部分もあるのですが、余裕をもってビルドアップできるときでも、簡単にロングボールを蹴って、ロストする光景が多くありました。もっとマイボールの時間が増やせれば、必然的に相手のチャンスは減りますし、ディフェンスも休む時間が作れるはずです。特に1-0でリードしているときに、なぜそんなに蹴ってしまうのかは、というところは非常に残念でした。愛媛のブロックの作り方がうまかったというのもあるでしょうが、もう少し前線からおりてボールを引き出すプレーや、逆にボランチがシャドーの位置やサイドに開いて数的優位を作るシーンを増やせないと、厳しいと思います。このあたりは、ここ数試合は矢島が担っていた部分でしたので、矢島が戻ってくることで、少し改善はするかなとは思いますが、もう少し攻撃でエネルギーを使えるような戦い方をしないと、見ている方も、プレーしている方も、面白くないのではないかと思います。次節の群馬は、愛媛と比較すると守備ブロックのタイトさや全体の意思統一という点においては劣るかなという印象がありますが、去年から勝てていない難敵でもあります。まずはゼロで抑える、その中でしっかりと攻撃の形を作る、そこを目標にしてもらいたいと思います。

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